~チョウと彼岸、出会いと別れの季節。~ 七十二候 第九候:菜虫化蝶(なむしちょうとなる )【啓蟄・末候】
こんにちは。はぴらきです。
東京地方は、いいお天気ながら風や空気が冷たい日が続き、本日は春らしい空模様です。
三寒四温を繰り返しながら、季節は確実に春に向かっています。
さて、昨日より
七十二候は第八候「菜虫化蝶(なむしちょうとなる)」となりました。(2019年の時期は3月16日~20日)
菜虫とはダイコンやキャベツなどアブラナ科の野菜を食べる青虫、特にモンシロチョウの幼虫のことを言います。
私は以前、貸農園で野菜を育てたことがあります。
自宅で食べるので、できるだけ農薬を使いたくなく奮闘しましたが、一番苦労したのはキャベツの青虫対策でした。
卵をうまれないように、ネットをはってがんばりました。
青虫さんにとってもおいしいおいしいごちそうですものねぇ~。
どこから入ってくるのか、青虫が...。
なんとも悩ましかったです。
ところで、モンシロチョウは年中みかけますよね。
あえてこの時期の言葉に取り上げられるのは、不思議だと思いませんか?
チョウの一生は卵からチョウになるまで約2か月弱とのこと。
実は、一年のうちに4~5回も世代交代しているのだそうです。
ですからこの「菜虫化蝶」のチョウは厳密にいうと、「厳しい冬場ににサナギになった青虫」なのですね。
チョウは幼虫からサナギ、そして美しいチョウへ変化していくことから、
昔から輪廻転生だったり復活や長寿の象徴として、中国の故事や神話などにも登場してきます。
また、亡くなった方のたましいがチョウの形を借りて現れてくるといわれることもありますね。
「バタフライエフェクト」という言葉があります。
チョウのわずかなはばたきが引き金になって、いろいろな現象を引き起こしトルネードを起こすかもしれない、という現象です。
チョウはこのように人間にもとても身近でなじみ深く、そのうえ神聖な生物と考えられてきたんですね。
だからこそ、春の息吹とともに飛び回るチョウに、生命の喜びとして象徴させたのでしょう。
チョウを呼ぶ菜の花も咲き始めて、まさに春も本番。
3月6日から始まった啓蟄(けいちつ)から季節は仲春となり、春分はまさに「春の真ん中」です。
桜の便りも徐々に届き始めます。
三寒四温を繰り返し、花冷えのなかにも一雨ごとに土や風の香りに確かな春を感じてきますね。
そして、明日3月18日は「彼岸入り」。
彼岸の中日となる21日は「春分の日」となり、二十四節気も「春分」へ変わります。
春分は、ご存じの通り、太陽が真東から昇って真西に沈み、昼と夜の長さが同じくなります。
「彼岸」は、夕日が沈む真西の向こうにある「パーラミター(至彼岸・とうひがん)」という仏教用語に由来するそうです。
浄土の先祖を供養する風習で、春分の前後3日間の7日が彼岸です。
春分からは夏至にむけ、だんだん昼が長くなります。
ヨーロッパなどでは、春分が春の始まりとされるそうです。
「暑さ寒さも彼岸まで」と言われます。
もう極端に寒い日はこなくなるでしょう。
衣類もウールやダウンからコットン素材の身軽なコートに変えたり、不要なものをあらためて見直すいい機会です。
また、今の時期は、人事異動や転勤、卒業など、お別れの機会も少なくない時期です。
もうすぐくる春分をひとつの機会に、新しい出会い、機会にむけて身の回りのデトックスで春への準備をしてみませんか?
春分に一番近い戊(つちのえ)の日は雑節のひとつ「社日」で、春の社日なので「春社」とも呼ばれます(2019年は3月22日)。
ぼたもちをお供えして五穀豊穣を祈る日だそう。
土の神様の頭をほることにつながるため土いじりを休む日とされますが、そろそろ土と触れ合うのにいい陽気となってきますね。
手軽にハーブの苗をプランターで育ててみるのはいかがでしょうか?
私も、今年はプランター栽培に再チャレンジしてみようかと思います。
◆今日は2019年3月17日(日曜日)◆
旧暦:二〇一九年二月十一日(如月)(日干支:癸丑(みずのとのうし) の日)