干支といのしし 亥年の今年はどんな年にする?
こんにちは、はぴらきです。
本日より始業開始という方も多いことでしょう。
ところで、2019年の干支は「亥」。動物では「いのしし」があてはめられてています。
今年はどんな年にするか決められたでしょうか?
さて、今日は干支についてと、亥年の今年はどんな年にするか触れてみます。
昨年から「和の暮らし」を感じるために旧暦・和暦を意識しています。
和暦ともに日干支で毎日を記録しています。
和暦を通じ干支や自然に即した暮らしに触れ、先人の智慧を今の暮らしに少しでも生かしていけたらと思います。
干支とは
干支は一般的に「えと」と読みます。
「私は巳年」「僕はウマ」と自分の生れた年が何年か、たいがいの日本人は普通にわかります。
それだけ身近なのに、実は干支とは何か言える方は少ないのではないでしょうか。
干支(えと・かんし)は、古くは中国から伝わった六十干支(ろくじっかんし)で、
十干(じっかん)と十二支(じゅうにし)を組み合わせた十干十二支(じっかんじゅうにし)のことです。
60を1周期とする数詞で、中国を初めアジアの漢字文化圏で年、月、日、時間ほか方位などに用いられてきました。
陰陽五行説とも結びつき、占いなどにも使われています。
十干とは・・・。
十干(じっかん)の「干」は木の幹が語源です。
「甲、乙、丙、丁、戊、己、庚、辛、壬、癸」
の10種。
10というのは、「指折り数える」という言葉が残るように、人が最初に数を数えるのに使った手の指の数に由来します。
音読みでは
「甲(こう)、乙(おつ)、丙(へい)、丁(てい)、戊(ぼ)、己(き)、庚(こう)、辛(しん)、壬(じん)、癸(き)」
となります。
陰陽五行
陰陽五行説はかつての日本人には欠かせない思想で、これを知ることでより旧暦や日本の心、考え方に触れることができます。
『五行相生』は、
「木は火を生じ、火は土を生じ、土は金を生じ、金は水を生じ、水は木を生ず」
創造の循環を示します。
『五行相剋』は
「水は火に勝(剋)ち、火は金に勝ち、金は木に勝ち、木は土に勝ち、土は水に勝つ」
破壊のサイクルを示します。
陰陽五行の「木、火、土、金、水」に、
それぞれ陽の気を表わす「え(兄)」と
陰の気を表わす「と(弟)」にわけ、
全部で10種類となります。
「甲」=木の兄(きのえ)、「乙」=木の弟(きのと)といった読み方はここから来ています。
訓読みでは以下の通りです。
- 甲(木の兄=きのえ)
- 乙(木の弟=きのと)
- 丙(火の兄=ひのえ)
- 丁(火の弟=ひのと)
- 戊(土の兄=つちのえ)
- 己(土の弟=つちのと)
- 庚(金の兄=かのえ)
- 辛(金の弟=かのと)
- 壬(水の兄=みずのえ)
- 癸(水の弟=みずのと)
十干それぞれは、元々は植物の生育の状況を示したものだという説もあります。
たとえば、
始まりの「甲」は種子がまだ暑く堅い皮をかぶっている状態。
「乙」は固いもの同士がぶつかって軋る(きしる)が語源で、草木の芽が幼く屈曲している様子。
「戊」は茂るを表し、草木が盛大に繁茂している様子。
最後の「亥」では、『植物の生命の力が種子の中に閉じ込められている状態』
となります。
などなどです。
十二支とは・・・。
一方、十二支(じゅうにし)の「支」は幹の枝をあらわしています。
古くから暦の月の呼び方や、時刻、方角にも使われ、もともとは12の順番を示すただの記号でした。
太陽系の5つの惑星「木星・火星・土星・水星・金星」のなかで、木星がもっとも重要視されていました。
十二支の起源は十干より古く、約12年で天を一周する木星にちなみ、天体を12に分けたことが由来。
日本ではおなじみの12の動物で表されています。
月の十二支
上記のように天をめぐる木星の位置から、12ヶ月の月の呼び名として十二支が使用され、各月にゆかりの動物の名前をつけました。
古くから中国で冬至を含む月を11月とする習わしがあったことなどから、旧歴11月が「子月」、12月が「丑月」、正月(1月)が「寅月」となり以下、順番に続きます。
中国の暦を輸入した日本も、旧暦の正月は寅の月としました。
十二支と時刻
時刻にも次第に十二支が使われるようになりました。
午前0時の前後2時間が「子の刻」となり2時間毎に十二支を当てはめます。
十二支と方位
真北を子、真南を午、真東を卯、真西を酉としました。
十二支と陰陽五行
- 陰陽
(「子丑寅卯辰巳午未申酉戌亥」が、陽と陰に交互に割り振られます。)
陽:子、寅、辰、午、申、戌
陰:丑、卯、巳、未、酉、亥
- 五行
(十二支の五行は季節感に関連。寅は旧暦1月、卯は旧暦2月を意味。この頃は春なので五行の特性によって木になる、など)
木:寅、卯、(辰) 春
火:巳、午、(未) 夏
土:辰、未、戌、丑 土用
金:申、酉、(戌) 秋
水:亥、子、(丑) 冬
「土」の丑、辰、未、戌は土用にあたります。
立夏の前の春土用の「辰」といった具合に、春夏秋冬の終わりに18日間の土用の期間があり、過ぎ去る季節と来たる季節を穏やかに循環させます。
十干と十二支の組合せは60種類
十干と十二支を組み合わせる場合、陰と陽の組み合わせをしません。
陽と陽、陰と陰の組み合わせのため、「10×12=120」ではなく60種になるのです。
この六十干支の巡りは途切れることなく続くため、改暦や改元などの影響を受けません。
ですから、古来より歴史の記載に使われてきました。
古文書などで十二支と組み合わせ、甲子(きのえね)とか丙寅(ひのえとら)などと、干支(えと)して用いられてきました。
現在、十二支の方はまだ「生まれ年」や年賀状などで使うため残っていますが、十干を使うことがありません。
十干そのものを知らない人の方が多いのではないでしょうか。
「干支」を「えと」と読むのは「兄弟」で「えと」という十干の方なのです。
ですから、本来の意味でいうと十二支を「干支」と言うのは、厳密にいえば違うことになりますね。
参考:こよみ用語解説 六十干支のよみ方 - 国立天文台暦計算室
2019年はどんな年?
2019年の今年は亥年。
「いどし」「いのししどし」とも呼ばれます。
干支は、「己亥(つちのとい・きがい)」です。
十干(じっかん)のは己(つちのと)、十二支が亥(い)です。
五行陰陽節で見てみます。
十干(じっかん)の己(つちのと)には「土」の性質があり、「成長した植物が整然とした状態」という意味をもちます。
十二支が亥(い)は五行で表すと「水」。意味は「種子の中に閉じこもっている状態」です。
「己亥」は
- 土と水の組み合わせで「土が水に勝つ」年で『五行相剋』の関係になります。
- 「成長して整然とする状態と、種子の中に閉じこもった状態」
という見方もあります。
「己(つちのと)」という字は糸をしめし、こんがらがりかたまりやすいので、荒れやい年かもしれません。
一方、「亥(い)」は種のように閉じこもってはいますが、起爆剤にもなります。
核という字にもあるように、自分(己・おのれ)の核をおさえて、どんなことでなら勝負できるのかを見つめなおすときともいえそうですね。
大切なのは、その核となる力をどこで発揮するかです。
小さなところ、家族や身近な範囲ばかり見ないで、視点を大きく持ってみてはいかがでしょうか。
たとえばここのところ、副業を認める会社が増えてきましたが、それも今の時流といえます。
ちょっと違った場所では高い評価を受ける可能性もあるわけです。
決して、和を乱したり本業をおろそかにせず、筋道を通すということも大切です。
そういった場所で、自分の実力を発揮して挑戦するというのに適していそうです。
今年の亥年は「猪突猛進」といわれますが、
今年はとくに「やみくもに」ではなく、
自分のどこで勝負し、どこで発揮するかをしっかり見極めて、いきなり来るかもしれないチャンスを逃さないようにするというのもポイントのようです。
いつのまにか制限を作ってしまっていたことありますか?
やりたかったこと、挑戦していないことはありませんか?
今年の計画をこんな見方も頭において、また機会があったら見直してみてはいかがでしょうか。
◆今日は2019年1月5日(土曜日)◆
旧暦:2018年十一月三十日(霜月・晦(つごもり))(日干支:壬寅(みずのえとら) の日)