~日本中が寒波の中、うぐいす鳴く季節はもうすぐ~ 七十二候 第二候:黄鴬睍睆(うぐいすなく)【立春・次候】
こんにちは、はぴらきです。
北海道をはじめ、全国的な寒波におおわれていますね。
本当に寒いです。
今日から七十二候は第二候「黄鴬睍睆(うぐいすなく)」に変わりました。
今日は、とてもここにうぐいすが鳴く春がくるなんて信じられませんね。
東京都内で雪が降ったという報告をされる方もいらっしゃいます。
我が家では、今のところまだ、形としての雪は確認できません。
でも・・・・。
外に出るとほんのうっすらみぞれらしき痕跡がありました。
空はかなり曇が垂れ込めています。
寒いですよ、やっぱり。
ご近所のお宅で鳥さんだけが元気です(笑)
寒そうな雰囲気、伝わりました?
それでも、こんな風に・・・・。
木々をはじめ自然は春の準備を始めているんですねぇ。
暦の上では山里でウグイスが鳴き始めるころと言われます。
寒すぎて、にわかに信じられません。
気象庁でも、「ウグイスの初鳴日」としてさえずりを初めて聞いた日を、梅や桜の開花と同じように「生物季節観測」の対象のひとつとして観測しています。
あたたかな沖縄や九州地方の2月下旬ころを皮切りに、約2か月かけて4月下旬に北上し北海道へ到達していきます。
うぐいすの別名が「春告鳥」といわれる所以です。
ところで、この「黄鴬見睨」は普段あまり見ない字ですよね。
音読みでは「こうおう けんかんす」と読みます。
「見睨(けんかん)」という字は、
「睍」は目の飛び出ている様子、
「睆」は大きな目を意味し、
見目好いさまのこと。鳴き声のよいことのよいことです。
ですから、うぐいすの鳴き声の美しい様子を言っている言葉ですね。
黄鴬は、ウグイス(鶯)の字があるので、うぐいすのことを言っていると想像できますが、なぜ「黄」がつくのか、不思議ではありませんか?
一般的に「黄鴬」をうぐいすとしていますが、こんな説もあります。
鶯が美しい声でさえずり始めるほのぼのとした初春の景色という表向きと裏腹な、ある陰陽師の思惑があったという説です。
七十二候が中国から伝わってきて、何度か改定されました。
最初は、江戸時代前期に日本の気候に合わせて「梅花乃芳(うめのはなかんばし)」と改訂しました。
うぐいすが登場するには、確かに第二候では早すぎます。
それにも関わらず、明治政府が引き継いだ「宝暦暦」バージョンでは、
「黄鳥睍睆(こうおうけんかんす)」となります。
「黄鳥」はのちに分かりやすく「黄鶯」と書き換えられました。
江戸時代に「黄鳥」は日本のウグイスというよりも、コウライウグイスの意味が強かったといわれます。
下の動画にも載せましたが、本当に目の覚めるような鮮やかな黄色ですね。
コウライウグイス、つまり黄鳥は、古来より中国の詩に、王や皇帝の象徴として読まれることが多い鳥。
七十二候の最終バージョン「宝暦暦」編纂責任者は、かの安倍清明の子孫で、陰陽頭(おんみょうのかみ)の土御門泰邦(つちみかどやすくに)。
「梅花乃芳」をわざわざ「黄鳥睍睆」に変更しました。
江戸幕府を滅ぼし、黄鳥にたとえられた天子の住む京に都を取り戻す、という陰陽師の呪いだったのでは、といわれます。
暦の歴史をひもとけば、本当にいろいろなことがでてきますね。
欲にまみれた人間界がいかにあろうと、季節は巡っていきます。
いずれにしても、うぐいすの癒される鳴き声が聞こえてくる春になります。
気象庁の「生物季節観測」のひとつ「ウグイスの初鳴日」は以下の通りです。
気象庁ウグイス初鳴 of Hira...'s Birding Page(野鳥一般:季節の便り)
今年はうぐいす、聞けるかなぁ?
都会では難しいでしょうか。
七十二候と二十四節季の関係にもふれてみました。
もともと、中国から伝わってきた暦。
日本の風土に合わせて少しずつ変えられた歴史について、今回は触れてみました。
歴史をひもといていくと、「こよみ」は時の権力者によって書き換えられてきたのだということがわかりますね。
その一方で、農耕が中心だった日本の暮らしにこよみは欠かせないものでした。
このあとも折に触れ、和暦にちなみ「和の暮らし」を現代にどういかしていけるのか、探求していきたいと思います。
◆今日は2019年2月9日(土曜日)◆
旧暦:二〇一九年一月五日(睦月)(日干支:丁丑(ひのとのうし) の日)