冬至にかぼちゃを食べるのはなぜ?
こんにちは、はぴらきです。
日が短くなりました。
あっという間に日が暮れます。
もうじき、冬至です。
今日は「冬至に食べたら風邪をひかない」といわれるかぼちゃについてです。
目次
いまさらですが、10月の末のハローウィンがありましたが、まさにかぼちゃ一色でしたね。そして、これから来る冬至にもかぼちゃを食べますよね。
かぼちゃは、漢字で「南瓜」と書きます。
以前からかぼちゃは「瓜」と書くし、漢字からも夏の物のようなのだけど、登場するのは冬場なので、どうしてだろうと思っていました。
かぼちゃの原産地
かぼちゃ自体は世界中に広く分布しています。
近年の遺跡の研究により原産地はメキシコとグアテマラにあたる中南米地域といわれています(紀元前7000年~5500年のメキシコの洞窟の地層にかぼちゃの種が発見されました)。
ですから日本での旬の時期は、夏といえそうですね。
もともとの品種は、果肉部は薄く繊維質で水っぽく食べられる部分が少なかったようです。古代のメキシコ人や古代のアステカ、インカ、マヤの人々はカボチャの種を食べていたらしいです。
突然変異で甘いカボチャができ、それをアメリカの原住民が見つけて栽培種へと作り替えて、現在のかぼちゃへと変化していったそうです。
そもそも、「かぼちゃ」という名前の由来は、1541年に大分に漂着したポルトガル船が持ち込んだカンボジア産のかぼちゃ。カンボジアがなまって「かぼちゃ」になったといわれます。
日本のかぼちゃの歴史
1573年には長崎に寄港した宣教師たちから伝わり日本でも栽培されるようになり、その後、中国から16世紀に、アメリカからは18世紀半ばに日本に伝わったといわれます。
日本で栽培されたのは長崎をはじめとする九州に始まって、東北では1620年ころ、京都では1670年ころ、東京では1780」年ころだそうです。
現在、日本で栽培されるかぼちゃは、「日本かぼちゃ」「西洋かぼちゃ」「ペポかぼちゃ」の3種類に大きくわかれます。
そのうち「日本かぼちゃ」と「西洋かぼちゃ」が日本各地に根付いて地域でさまざまに品種の分化を遂げています。
日本かぼちゃ
ポルトガル人がカンボジアから日本に持ち込んだものとされています。
1960年代まで日本に数多くある品種の総称で、凹凸がはっきりして皮が黒っぽく、粘質でねっとりしています。
水分量は西洋かぼちゃより多いですが、煮崩れしにくく扱いやすいです。
主な品種としては「黒皮かぼちゃ」「菊座かぼちゃ」「小菊かぼちゃ」のほか伝統野菜の「鹿ケ谷かぼちゃ」、また最近人気の「バターナッツ」なども日本かぼちゃの仲間です。
西洋かぼちゃ
西洋かぼちゃは1863年にアメリカから導入され、明治初年から本格的に栽培が開始され北海道を中心に広まっていきました。原産地は、南アメリカのペルーやボリビアあたりといわれます。
もともとは飼料用として入ってきたのですが、品種改良が進んで戦後の食の西洋化とともに急激に普及しました。
特徴としては、凹凸が少なく丸みのある形で、甘みが強くホクホクしています。
お料理は、蒸しもの、揚げ物、炒め物、コロッケやサラダ、スープ、パンプキンパイなどのお菓子にあいます。
また、日本かぼちゃより、カロリーや糖度、ビタミンの含まれている量も高く、カロテンは5.5倍あります。
主な品種としては「えびす南瓜」「黒皮栗かぼちゃ」「坊っちゃんかぼちゃ」「赤皮栗かぼちゃ」や生食ができる「コリンキー」や「プッチーニ」も西洋かぼちゃの仲間です。
ペポかぼちゃ
日本では一般的に「おもちゃかぼちゃ」と呼ばれるものの総称です。
豊臣政権時代に一時伝来したそうですが、本格的に栽培されたのは明治にはいってからのようです。
「ペポかぼちゃ」という言い方は日本ではあまり聞きませんが、ハロウィンに使われるような「おばけかぼちゃ」などはおなじみですよね。一部食用として出ていますが、ほとんどは観賞用として親しまれています。
主な品種に、最近よく見かける「ズッキーニ」のほか、「金糸瓜(そうめんかぼちゃ)」などがあります。
味は淡泊。お肉や野菜と合わせて頂くことでさらに美味しさがグンと増します。
ちなみに、かぼちゃは一般に英語で「pumpkin(パンプキン)」と訳しますよね?
実は普段食卓に出されているかぼちゃはpumpkinではないのです。
英語では、かぼちゃを総称して「Squash(スクワッシュ)」といいます。
西洋かぼちゃは「Winter squash(ウィンター・スクワッシュ)」。
日本かぼちゃは「TropicalSquash(トロピカル・スクワッシュ)」
もしくは「JapaneseSquash(ジャパニーズ・スクワッシュ)」
ペポかぼちゃは「SummerSquash(サマー・スクワッシュ)」です。
英語の「pumpkin(パンプキン)」はペポカボチャの一部で、オレンジ色のものをいいます。ハロウィンのときにジャック・オー・ランタンで使われるものだそうですよ。
現在は西洋かぼちゃが主流。産地は北海道がダントツ!
もともとは日本かぼちゃの方が主流でしたが、戦後の食生活の洋風化により西洋かぼちゃの需要が急増し、今ではその9割は西洋かぼちゃです。
スーパーで普通に、みかけるかぼちゃは、西洋かぼちゃと思ってもよいでしょう。
そして産地はなんといっても北海道。生産量の半分を占めています。
産地となる北海道内陸部は、昼夜の気温差が激しく、そのため糖度が高いかぼちゃになります。夏が長いという好条件により、質の高いかぼちゃを長期間、生産できます。
保存性がいい
冬場、特に冬至にかぼちゃが食べられるようになったのは、その保存性にあります。
冬至にかぼちゃを食べると脳卒中にかからないとか風邪をひかないなどと言われます。
かつての日本では冬至のころになると、食べられる野菜がほとんどなくなります。
冬場に少なくなる緑黄色野菜のカロチンやビタミンを保存性のよいかぼちゃを食べることで抵抗力をつけよういうことです。
さすが先人の知恵ですね。
冬至の七草
ところで冬至にも七草があるとご存知でしたか?
私は七草といえば、お正月におかゆでいただく春の七草、それと対のように覚えた秋の七草しか知りませんでした。
日本は昔から言霊信仰があり、言葉に宿る不思議な力を大切にしてきました国です。
運を盛るという縁起を担いで、「運(ん)」が名前の中にある食べ物をいただくのだそうです。
なんきん(南瓜=カボチャ)
にんじん(人参)
れんこん(蓮根)
ぎんなん(銀杏)
きんかん(金柑)
かんてん(寒天)
うんどん(饂飩=ウドン)
冬至にはこの中の代表的なかぼちゃをいただくというわけです。
この七草を全部食べたら、運が最高にあがりますね!
一陽来復の日
来る冬至は「悪運をリセットする」日でもあるようです。
でもあり、転じて悪いことばかり続いたあとでも、ようやく幸運に向う日とされます。
南瓜を食べて幸運を手に入れましょう。
ところで、夏に枯れて、冬至の頃に咲く不思議な植物があります。
よかったらご覧ください。
冬至にまつわる食材として和食には欠かせないあずきのお話。
◆今日は1018年12月18日(火曜日)◆
旧暦:11月12日(霜月・甲申(きのえさる) の日)